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派遣薬剤師の単発という働き方|時給・メリット・向いている人

派遣薬剤師の単発という働き方|時給・メリット・向いている人

派遣薬剤師は、正社員やパートとは別の選択肢です。時給は調剤薬局でおおむね2,500〜3,500円が目安で、地方や繁忙期には4,000円を超える求人も出ます。一方で、収入が月ごとにぶれやすく、来た初日から即戦力を求められやすいという顔も持ちます。ここでは「派遣・単発で働く」とは実際どういうことなのかを、制度の裏取りも含めて整理します。

この記事の要点

  • 派遣薬剤師の時給相場は調剤薬局で約2,500〜3,500円。地方・条件次第で4,000円超もある
  • 「単発(30日以内)」の派遣は2012年10月から原則禁止。働けるのは60歳以上など一定の例外に該当する人だけ
  • 派遣には期間制限(いわゆる3年ルール)があり、同じ部署で働けるのは原則3年まで
  • ブランク復帰や家庭との両立で「期間を区切って高時給で働きたい」人に向く働き方

派遣薬剤師・単発とは、どういう働き方なのか?

派遣薬剤師は、派遣会社に雇われて、その派遣会社が契約した薬局や病院で働く形です。雇い主は勤務先の薬局ではなく派遣会社になります。給料も派遣会社から支払われ、勤務先の指揮命令のもとで業務にあたります。ここがパート(直接雇用)との一番の違いです。

「単発」という言葉には注意が必要です。1日や数日だけの単発で派遣として働くこと、つまり日雇い派遣は、2012年10月1日の派遣法改正で原則禁止になりました(厚生労働省)。ここでいう日雇い派遣とは、日々または30日以内の期間を定めて雇う派遣を指します。

ですから、薬剤師が「単発の派遣バイト」として1日だけ働けるのは、本人が一定の例外に当てはまる場合に限られます。具体的には、60歳以上の人、雇用保険の対象外の昼間学生、本業の生業収入が500万円以上ある人(副業として従事)、世帯収入が500万円以上で主たる生計者でない人のいずれかです(同上)。この4つの例外に該当しない薬剤師は、原則として31日以上の契約で派遣として働くことになります。「単発で気軽に」というイメージのまま求人を探すと、ここでつまずきます。

派遣薬剤師の時給はどのくらいか?

調剤薬局で働く派遣薬剤師の時給は、おおむね2,500〜3,500円が一つの目安です。ドラッグストアや病院もこの幅に近い水準で、求人サイトの集計では病院で3,200円台、調剤薬局で3,300円台という数字も出ています(m3.com薬剤師)。経験や勤務地によっては時給4,000円以上の求人もあります。

なぜパートの時給より高めなのか。理由の一つは地域差です。地方の薬局や病院は採用に苦戦しやすく、一時的でも即戦力になる薬剤師を確保するために、都市部より高い条件を出すことがあります。もう一つは、派遣には賞与や退職金が原則ないぶん、時給そのものに上乗せされている面がある、という点です。同じ手取りでも内訳が違う、と考えたほうが実態に近いでしょう。

薬局で調剤業務にあたる薬剤師

ただし、表示された時給がそのまま年収に直結するわけではありません。契約が途切れる月があれば、その月の収入はゼロに近づきます。時給の高さだけでなく、年間を通してどれだけ稼働日を確保できるかが、実際の手取りを左右します。

派遣で働くメリットは?

最大の魅力は時給の高さと、働き方の自由度です。フルタイムの正社員ほど縛られず、「週3日だけ」「この3ヶ月だけ」といった区切り方ができます。育児や介護、資格の勉強など、仕事以外に時間を割きたい時期に、収入をある程度確保しながら調整しやすいのは大きいです。

職場が合わなければ契約期間で区切れる、という点も人によっては利点になります。正社員だと辞めにくい人間関係や業務量も、派遣なら更新のタイミングで見直せます。複数の薬局を経験することで、調剤の進め方やレセコンの違いに触れ、結果として自分の引き出しが増えることもあります。残業を求められにくく、定時で帰りやすい現場が多いのも、派遣の特徴としてよく挙がります。

派遣の注意点は? 3年ルールとは何か

良い面ばかりではありません。まず収入が安定しにくい。契約は数ヶ月単位の更新が基本で、更新されなければ次を探す必要があります。賞与・退職金がない求人が多く、長期で見た総収入では正社員に届かないこともあります。

そして「即戦力」を前提にされやすい。派遣は研修や引き継ぎに時間をかけてもらえる場面が少なく、初日から一定のスピードで調剤・監査・服薬指導をこなすことを期待されがちです。ブランクが長い場合は、いきなり繁忙店に入るとつらく感じるかもしれません。

制度面で必ず知っておきたいのが、いわゆる3年ルールです。労働者派遣法では、同じ事業所の同じ組織単位(部署など)で、同じ派遣労働者が働けるのは原則3年までと定められています。3年を迎える日(抵触日)を超えて、その部署で派遣として働き続けることはできません(厚生労働省)。気に入った職場でも、派遣のままでは3年で区切りが来る、ということです。

例外もあります。派遣会社に無期雇用されている派遣労働者や、60歳以上の人は、この期間制限の対象外です(同上)。同じ現場で長く働きたいなら、派遣会社との無期雇用契約や、勤務先での直接雇用への切り替えも視野に入れることになります。

YMYLな話なので一つだけ補足すると、ここで挙げた数字や制度は時期や個人の状況で変わります。実際に契約する前には、派遣会社の担当者に自分のケースで確認することをおすすめします。

派遣薬剤師に向いているのはどんな人?

派遣が合うのは、期間や日数を自分で区切りたい人です。たとえば出産・育児からの復職で、まずは週3日から感覚を取り戻したい薬剤師。介護と並行して、フルタイムは難しいが収入は確保したい人。あるいは、引っ越しの予定があり数ヶ月だけ働きたい、というケースにも向きます。

ブランクからの復帰にも一つの入口になります。ただし前述のとおり即戦力を求められやすいので、不安があるなら、最初は処方箋の枚数が落ち着いた店舗や、フォロー体制を確認できる求人を選ぶのが現実的です。立ち仕事の負担が気になる人は、勤務環境や1日の動き方も事前にチェックしておくとよいでしょう。座って働ける職場の探し方は薬剤師の立ち仕事と座り仕事でも触れています。

逆に、毎月の収入を一定に保ちたい人や、賞与・退職金を含めた生涯収入を重視する人には、派遣はやや不向きです。その場合は正社員での転職を軸に考えたほうが、目的に合います。

次の一歩は?

派遣で働くと決めたら、複数の派遣会社に登録して求人を見比べるところから始めます。同じ薬局でも、扱う派遣会社によって時給や福利厚生の条件が違うことがあるためです。登録時には、3年ルールや無期雇用への切り替え条件、自分が単発(30日以内)の例外に当てはまるかを、担当者に具体的に確認してください。

どの会社に登録するか迷う場合は、薬剤師向けの派遣・転職サービスを比較した薬剤師おすすめ転職サイトランキングを参考に、派遣に強いところから当たってみるのが効率的です。

薬剤師は1日だけの単発派遣で働けますか?

原則として働けません。日々または30日以内の日雇い派遣は2012年10月の派遣法改正で原則禁止されました。60歳以上、雇用保険対象外の昼間学生、本業の生業収入が500万円以上で副業として働く人、世帯収入500万円以上で主たる生計者でない人など、一定の例外に該当する場合のみ可能です(厚生労働省)。

派遣薬剤師の時給はどのくらいですか?

調剤薬局でおおむね2,500〜3,500円が目安です。求人サイトの集計では病院で3,200円台、調剤薬局で3,300円台という数字もあります。経験や勤務地によっては4,000円を超える求人もあります(m3.com薬剤師ほか)。ただし稼働日数で実際の手取りは変わります。

3年ルールとは何ですか?

労働者派遣法で定められた期間制限です。同じ事業所の同じ組織単位(部署など)で、同じ派遣労働者が働けるのは原則3年までとされ、その翌日(抵触日)以降は同じ部署で派遣を続けられません。派遣会社に無期雇用されている人や60歳以上の人は対象外です(厚生労働省)。

ブランクがあっても派遣で復帰できますか?

可能ですが、派遣は即戦力を求められやすい点に注意が必要です。不安があれば、処方箋枚数が落ち着いた店舗やフォロー体制を確認できる求人を選ぶと無理がありません。週3日など日数を区切って始められるのは、派遣の利点でもあります。