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薬剤師の立ち仕事がつらいとき、働き方を見直すには

薬剤師の立ち仕事がつらいとき、働き方を見直すには

立ち仕事がつらいなら、まずは今の職場で姿勢や休憩を見直し、それでも改善しないなら座って調剤できる環境や別の働き方に移すのが現実的な道です。我慢して続けるより、負担のかかり方を一つずつ減らしていくほうが、結局は長く働けます。

薬剤師の立ち仕事は、思っている以上に体に響きます。佐賀県の病院を対象にした大規模な調査では、地区病院に勤める薬剤師の23.5%が腰痛を抱えていたと報告されました。これは医療センター勤務(10.6%)の2倍以上です(立ち仕事のミカタ)。「自分だけが弱いのかな」と感じている人もいるかもしれませんが、職業として負担が大きいのは事実なのです。

なぜ薬剤師の立ち仕事はつらいのか

つらさの正体は、立位の長さだけではありません。むしろ問題は「前かがみのまま動かない時間」です。

調剤台でのピッキング、監査時の中腰、カウンターで腰をひねりながらの応対。こうした中途半端な姿勢が一日じゅう続くと、腰や脚に負担が蓄積します。先ほどの調査では、女性薬剤師は男性より約12%高い割合で腰痛を発症していたとも報告されています。

そこに多忙が重なります。厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査をもとにした集計では、薬剤師の1か月あたりの平均残業は10時間ほど。ただし従業員1,000人以上の大企業になると平均15時間まで延びるとされています(すべらない転職)。患者対応が立て込むと座る暇もなく、昼の休憩すら細切れになる——そんな日が続けば、つらいと感じるのは当然でしょう。

今すぐできる対処から試す

職場を変える前に、手元でできることがあります。劇的に治るわけではありませんが、悪化を抑える効果は見込めます。

  • 姿勢を意識する: 監査やピッキングのとき、腰だけを曲げず膝を使ってしゃがむ。台の高さが合っていなければ調整できないか相談する
  • 靴を見直す: クッション性のある靴やインソールに替えるだけで、夕方の疲れ方が変わったという声は多い
  • 短い休憩を細かく挟む: まとまった休みが取れなくても、調剤の合間に数十秒、腰を伸ばすだけでも違います

最近は薬剤師向けに、立ったまま腰を預けられる「立ち椅子」を導入する薬局も出てきました(アルケリス)。職場にこうした設備の相談ができるなら、一度持ちかけてみる価値はあります。

負担の少ない職場はどこか

それでも体がもたない、と感じるなら、職場そのものを変える選択肢があります。同じ薬剤師の仕事でも、立っている時間の長さはずいぶん違うからです。

座る時間を増やしたいなら、まず候補になるのが病院薬剤師です。調剤だけでなく、病棟での服薬管理やカルテ確認、カンファレンスなど、デスクに向かう業務の割合が薬局より高くなります。給与は調剤薬局やドラッグストアより低めになりやすい点は、あらかじめ知っておきたいところ。

企業の薬剤師も体への負担は軽い部類です。製薬企業の学術職、CRA(臨床開発モニター)、メディカルライターといった職種は、業務の中心がデスクワークになります。なかでもメディカルライターは在宅勤務を認める会社も少なくありません(マイナビ薬剤師)。

そして、立ち仕事から離れる究極の形が在宅・オンライン中心の働き方です。オンライン服薬指導を担う「おうち薬剤師」のように、パソコンの前に座ったまま完結する職場も少しずつ増えてきました。立ちっぱなしの調剤とは、体への負担がまったく違います。

調剤を続けたい場合でも、上司に相談して「座っての監査を中心に回す」といった配置に変えてもらえるケースはあります。まずは今の職場で動かせる余地がないか、確認してみるのも一つの順番でしょう。

働き方そのものを変える

職場を変えるほどではない、でもフルタイムの立ち仕事は厳しい。そんなときは、雇用形態を見直す手もあります。

  • パート・時短: 勤務時間を短くすれば、立っている総時間も減ります。子育てや体調と両立したい人には現実的な選択
  • 派遣: 期間や条件を区切って働ける。合わない職場を長く我慢せずに済むのが利点です
  • 転職: 業種ごと変えて、負担の構造から抜け出す

どれを選んでも、収入や働き方は変わります。時短やパートにすれば総額は当然下がりますし、その点をどう受け止めるかは人それぞれ。年収面の整理は薬剤師が年収を上げる転職の考え方もあわせて読んでみてください。

次の一歩

つらさを我慢し続けると、判断も鈍りがちです。腰痛が慢性化してから動くより、「最近きついな」と感じた今のうちに、選択肢を並べておくほうが楽に決められます。

まずは、今の職場で姿勢・靴・休憩・設備を試す。それで足りなければ、病院・企業・在宅といった負担の軽い職場や、パート・派遣への切り替えを検討する。順番に当たっていけば、無理のない働き方に近づけるはずです。

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