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介護のワンオペ夜勤がきついとき|負担を減らす働き方の選択肢

介護のワンオペ夜勤がきついとき|負担を減らす働き方の選択肢

一人で夜勤を回すのがきついと感じているなら、その感覚は正確です。フロア全体を一人で見て、急変があれば一人で初動を取り、休憩は名ばかり。これは個人の力量の問題ではなく、夜間の人員配置がそうなっているから起きることです。減らせる負担と、職場を変えないと減らせない負担を切り分けると、次にやることがはっきりします。

この記事の要点

  • ワンオペ夜勤のきつさは、人手・急変対応・休憩の取りにくさという構造から来る。配置基準上、一人夜勤は違法ではない
  • 今すぐできるのは、休憩・夜勤回数の相談と記録。それでも変わらないなら2人夜勤の職場や夜勤なしの働き方を視野に
  • デイ・訪問は夜勤がない求人が多い。次の一歩は「夜間に何人で回しているか」を軸に職場を探すこと

なぜワンオペ夜勤はここまできついのか

一人夜勤がきついのは、責任と作業が一人に集中するからです。日中なら数人で分けている業務を、夜は一人で背負う。これが負担の正体です。

夜勤帯の人員配置には基準があります。厚生労働省の告示では、たとえば従来型の特別養護老人ホームで夜勤職員配置加算を取らない場合、入所者25人ごとに介護職員または看護職員が1人以上いればよいとされています。ユニット型でも、1〜2ユニット(おおむね20人前後)なら夜勤は1人以上で基準を満たします。つまり、一人夜勤そのものは制度上ありえる体制で、違法ではありません。だからこそ、人手不足の現場では最小人数で組まれやすいわけです。

きつさの中身を分けると、だいたい次のどれかに当てはまります。

  • 一人で十数人〜数十人を見守る。コール対応とおむつ交換、巡回が重なる
  • 急変や転倒が起きても、初動を一人で取らなければならない
  • 休憩・仮眠が制度上はあっても、現場では取れない

それぞれ、効く手当てが違います。

急変対応を一人で抱える重さ

夜間にもっとも怖いのが、利用者の急変です。容体が悪化したとき、その場の判断と初動は一人で取ることになります。

医療的な対応が必要な場合、オンコールの看護師や医師に連絡して指示を仰げますが、到着するまでの間は自分一人で対応を続けるしかありません。複数のフロアで同時に何か起きたら、何を優先するかも一人で決める。この「逃げ場のなさ」が、夜勤を心身ともに重くします。経験の浅い時期ほど、判断の不安は大きいでしょう。

休憩が「あること」と「取れること」は別

夜勤の休憩は、法律上は決まっています。労働基準法第34条では、労働時間が6時間を超えれば45分以上、8時間を超えれば1時間以上の休憩を与えなければなりません。16時間夜勤なら1時間以上の休憩が必要です。

問題は、一人夜勤だと休憩中も結局フロアを離れられない点です。コールが鳴れば仮眠室から起きて対応する。それは法律上の「休憩」にあたらず、手待ち時間=労働時間です。仮眠室がない施設も珍しくありません。「休憩はあることになっているのに、実際は座る暇もない」という状態が、疲れを翌日に持ち越させます。

夜勤の休憩室で一人、机に向かって記録をつける介護職員

今の職場で、すぐにできること

辞める前に試せる手はあります。まず休憩と夜勤回数を「言語化して相談する」ことです。

つらさを我慢して飲み込むと、職場には伝わりません。「休憩が取れていない」「夜勤の回数を減らせないか」を、感情ではなく事実として上司に持ちかけてみてください。休憩が取れない実態は、勤務記録やコール対応の履歴があると伝わりやすい。会社にとっても、休憩を与えていないのは労務リスクなので、改善が動くことがあります。

体制そのものを変えてもらうのは難しくても、シフトの組み方なら相談で動く余地があります。夜勤を月に何回入れるか、連続させない組み方ができないか。一人で抱えず、まず声に出すのが出発点です。

それでも「相談しても取り合ってもらえない」「そもそも人がいなくて無理」という現場も現実にあります。その場合は、職場の前提が一人夜勤で固定されているということ。次の段階を考えるサインです。

2人夜勤や夜勤専従という選び方はあるか

同じ夜勤でも、体制によって負担はかなり変わります。一人で全部背負う必要がない働き方を知っておくと、選択肢が広がります。

ひとつは2人夜勤の職場です。夜勤職員配置加算を取っている施設では、基準より手厚い人数で夜を回しています。急変時に一人が対応している間、もう一人が他の利用者を見られる。この差は大きい。求人や面談では「夜間は何人体制か」「夜勤職員配置加算を取っているか」を確かめると、体制の手厚さが見えてきます。

もうひとつは夜勤専従という働き方です。日勤をやらず夜勤だけに絞る働き方で、深夜帯(22時〜翌5時)は労働基準法で25%以上の割増賃金が義務づけられているため、夜勤手当と合わせて1回あたりの収入が高くなりやすい。生活リズムを夜に固定できる人や、回数を絞って働きたい人には合うことがあります。ただし、これも一人夜勤かどうかは施設次第なので、専従=楽というわけではありません。

夜勤そのものをなくす働き方もある

夜勤の負担がきつさの核なら、夜勤がない職場へ移るのが最も確実です。介護の現場は入所施設だけではありません。

デイサービス(通所介護)は、日中の営業が基本で、夜勤がない事業所が多い働き方です。自宅から通える程度に自立度の高い利用者が中心なので、夜間の見守りという負担そのものがありません。生活リズムを昼型に戻したい人には合いやすいでしょう。

訪問介護も、基本は日中に利用者宅を一軒ずつ回る働き方です。一度に一人と向き合うため、フロア全体を同時に見る忙しさとは質が違います。夜間対応型のサービスを除けば、夜勤を避けやすい選択肢です。

施設形態と夜勤の有無を、ざっくり整理しておきます。

働く場所夜勤夜間の負担の傾向
特養・老健などの入所施設あり一人夜勤になりやすい施設も
デイサービスなしが多い夜間の見守りがない
訪問介護基本なし一対一でペースを取りやすい

夜勤手当がなくなる分、月収は下がりやすい点は知っておきたいところ。そこは納得して選びたい部分です。夜勤をなくすかどうかは、収入とのバランスで考えることになります。

体力面の負担も合わせて見直したいなら、介護の仕事が体力的にきついときにできることも参考になります。

転職を考えるなら、何を確かめるか

一人夜勤に限界を感じて辞めるのは、逃げではありません。働き続けられる体制に移ることは、身体とキャリアを守る判断です。

ただ、勢いで決めると同じ体制を引き当てることがあります。次の職場を見るときは、いくつか確かめておきたい点があります。

夜間は何人で回しているか。夜勤職員配置加算を取っているか。一人あたりの担当人数。仮眠・休憩を実際に取れているか。オンコール体制(夜間に看護師へ連絡できるか)。こうした内情は、求人票の文字だけではわかりません。なお2024年度の介護報酬改定では、見守り機器を導入した場合に夜間の人員配置基準が一部緩和されました。機器の活用が進む施設もあれば、その分だけ人手が薄くなる施設もあり、現場ごとの差は今後さらに広がる可能性があります。

介護に特化した転職エージェントなら、施設の夜勤体制や人員配置、職場の雰囲気まで踏み込んで聞き出せることがあります。自分一人で何件も見学する負担を考えれば、間に入ってもらう価値はあるでしょう。サービスごとに求人の傾向は違うので、介護転職サービスの比較で希望に近いところから当たってみてください。

次の一歩

一人夜勤のきつさは、放っておくと「自分は夜勤に向いていない」という自己評価にすり替わりがちです。でも、向き不向きの前に、夜を一人で回す体制そのものに無理があることがほとんどです。

休憩と夜勤回数を相談する。記録を残す。それでも変わらないなら、2人夜勤の職場や、夜勤のないデイ・訪問へ移る。手は順番に残っています。今すぐ全部やる必要はありません。まずは「直近の夜勤で、何が一番きつかったか」を一つ書き出すところから始めれば十分です。

よくある質問

介護の一人夜勤(ワンオペ)は違法ではないのですか?

夜勤帯の人員配置には基準があり、たとえば従来型特養で加算を取らない場合は入所者25人ごとに職員1人以上、ユニット型でも小規模なら1人以上で基準を満たします。基準を満たしていれば一人夜勤自体は違法ではありません。ただし休憩が取れない状態が続くなら、それは別の労務上の問題です。

16時間夜勤で休憩が取れないのは問題になりますか?

労働基準法第34条では、8時間を超える労働には1時間以上の休憩を与える義務があります。仮眠中もコール対応で離れられない状態は休憩ではなく労働時間にあたります。実態として取れていないなら、記録を残して相談する根拠になります。

夜勤の負担を減らすには、まず何から動けばいいですか?

まず休憩の取得状況と夜勤回数を、事実として上司に相談することです。勤務記録やコール履歴があると伝わりやすくなります。体制が固定で改善が見込めない場合は、2人夜勤の職場や夜勤のないデイ・訪問への転職を検討する段階です。

夜勤をなくすと収入はどれくらい下がりますか?

下がり幅は施設や夜勤回数によって異なります。深夜帯は労働基準法で25%以上の割増賃金が義務づけられており、夜勤手当と合わせた分が月収に乗っているため、その分は減ります。夜勤なしの職場を選ぶときは、収入とのバランスを納得したうえで決めるのが現実的です。