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ケアマネジャーになるには|受験要件と仕事内容

ケアマネジャーになるには|受験要件と仕事内容

介護福祉士として現場に立ちながら、「次のステップ」としてケアマネジャーを意識する人は多いはずです。結論を先に書くと、ケアマネジャー(介護支援専門員)になるには、対象資格での実務経験を一定年数積んだうえで「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格し、その後の実務研修を修了する必要があります。介護福祉士からのルートは、この要件を満たしやすい代表的な道のひとつです。

夜勤や身体介助の負担が重くなってきた、利用者の生活全体に関わる仕事がしたい——そんな動機でこの資格を調べ始めた人に向けて、仕事の中身から要件、試験、年収の傾向までを順に整理します。

ケアマネジャーは何をする仕事か

ケアマネジャーの中心業務は、ケアプラン(介護サービス計画)の作成と、それに沿ったサービスの調整です。要介護認定を受けた利用者と面談し、本人や家族の希望、心身の状態、家庭環境を踏まえて「どのサービスをどれだけ使うか」を計画書に落とし込みます。

ただし計画を立てて終わり、ではありません。デイサービスや訪問介護、福祉用具のレンタルといった各事業所と連絡を取り合い、サービス担当者会議を開いて方針をすり合わせます。利用開始後も、月に1度は自宅などを訪問してモニタリングを行い、状態の変化があれば計画を見直す。利用者と事業者、行政のあいだに立つ「調整役」と考えると、仕事の輪郭がつかみやすいでしょう。

働く場所は、在宅の利用者を担当する居宅介護支援事業所のほか、特別養護老人ホームなどの施設、地域包括支援センターなど。担当する利用者層も配置基準も場所によって変わります。

受験要件:対象資格での実務経験が起点

受験の起点になるのは「指定された業務での実務経験」です。介護福祉士をはじめとする法定資格(医師、看護師、社会福祉士、理学療法士、精神保健福祉士など)を持ち、その資格にもとづく相談援助・介護などの業務に従事した期間が、現行では5年以上かつ900日以上——これが基本ラインです(厚生労働省ほか各都道府県の受験案内による)。

介護福祉士を取得して現場で5年働いてきた人なら、この要件をすでに満たしているケースが少なくありません。自分の従事日数が足りているかは、勤務先の証明が必要になるため、早めに確認しておくと安心です。パート勤務の期間が要件に算入できるかどうかも、職種と従事日数しだいで変わります。

要件は今後変わる可能性があります。厚生労働省は2025年10月の社会保障審議会・介護保険部会で、実務経験を5年から3年へ短縮する案を提示し、大筋で了承を得ました(介護ニュースJoint)。対象資格に診療放射線技師や公認心理師などを加える方向も含め、2027年度の介護保険制度改正での実施を目指して議論が進んでいます。受験を考えるなら、その年度の都道府県の最新案内を必ず確認してください。

利用者宅でケアプランを説明するケアマネジャー

試験と実務研修の流れ

試験は年に1回、例年10月に各都道府県で実施されます。正式名称は「介護支援専門員実務研修受講試験」。問題は60問で、介護支援分野25問と保健医療福祉サービス分野35問という構成です(都道府県の試験案内による)。

合格率は年によって幅があります。第27回(2024年度)は受験者53,699人に対し合格率32.1%で、20年ぶりに3割を超えました。一方、翌年の第28回(2025年度)は25.6%(厚生労働省 実施状況、各年度の発表より)。例年おおむね2〜3割で、決して簡単な試験ではないと考えておいたほうがよいでしょう。

合格してもそこがゴールではない点に注意が必要です。試験合格後に、講義(87時間以上)と居宅介護支援事業所での実習(原則3日間)からなる実務研修を受け、これを修了して初めて都道府県の名簿に登録できます。研修修了後の登録には期限が設けられているため、修了したら速やかに手続きを進めます。試験勉強だけでなく、研修まで含めて取得の道のりだと捉えておくと、計画が立てやすくなります。

介護福祉士からのルートをどう進めるか

介護福祉士からケアマネを目指す流れは、おおむね次のようになります。

  1. 介護福祉士として、現場業務で必要な実務経験(現行は5年・900日以上)を積む
  2. その年度の受験案内で要件と必要書類を確認し、出願する
  3. 10月の試験に合格する
  4. 実務研修(講義+実習)を修了する
  5. 都道府県へ登録申請し、介護支援専門員証の交付を受ける

未経験から介護業界に入り、まず介護福祉士を取ってからケアマネへ——という段階的なキャリアを描く人もいます。介護そのものが初めてで職種選びから迷っている段階なら、介護職に未経験から挑戦する流れもあわせて見ておくと、全体像がつかめるはずです。

働き方と年収の傾向

ケアマネジャーになると、夜勤や身体介助の比重が下がり、相談援助や調整業務が中心になります。日勤の固定シフトで働きやすくなる職場が多い一方、書類作成や関係機関との連絡など、事務的な負担は増えます。身体的な負担と引き換えに、別種の責任を引き受ける働き方とも言えます。

年収の水準は調査によって幅があります。厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査では、処遇改善加算を取得する事業所の常勤・月給制ケアマネの平均給与は月37万5,410円。賃金構造基本統計調査ベースでは2024年の平均年収が約429.6万円と報じられています(各調査の集計より)。介護職員の処遇改善が進むなかで、上昇傾向にあるのは確かです。ただし事業所の規模や地域、施設か在宅かで差が出るため、求人ごとに条件を見比べる姿勢が欠かせません。

次の一歩

ケアマネジャーは、介護現場での経験を土台に、利用者の生活全体を設計する側へ回るキャリアです。まずは自分の実務経験が受験要件を満たしているかを勤務先に確認し、受けたい年度の都道府県の試験案内に目を通すところから始めるとよいでしょう。

転職や職場選びまで視野に入っているなら、介護分野の転職サービスを比べた介護向け転職サービスの比較も判断材料になります。要件・試験・研修という三つの関門を一つずつ確認しながら、無理のないペースで準備を進めてください。