IT・エンジニア
ITエンジニアの転職エージェント比較|SES脱出か、年収アップか

エンジニアの転職は、エージェント選びより先にゴールを決めるとうまくいきます。SESを抜けたいのか、自社開発に行きたいのか、年収を上げたいのか。これが曖昧なまま面談に臨むと、紹介される求人もぼやけたままです。逆に、ゴールが一語で言えるなら、合うサービスはかなり絞り込めます。
まずゴールを一つに絞る
「SESを抜けて、できれば年収も上げたい」——気持ちは分かりますが、欲張ると軸がぶれます。最優先を一つ決め、残りは「叶えば嬉しい条件」に降格させましょう。判断材料として、ゴール別に何を見るべきかを整理します。
| ゴール | 重視するポイント | 見るべき指標 |
|---|---|---|
| SES脱出 | 自社開発・受託の求人をどれだけ持っているか | 紹介求人に占める自社開発の比率 |
| 技術志向 | 技術を理解した担当者か。スキルで評価してくれるか | 担当者のIT業界経験・技術質問の精度 |
| 年収アップ | 提示年収の交渉をどこまで代行してくれるか | 交渉実績、決定年収のレンジ |
求人票だけでは「自社開発か客先常駐か」が読み取れないことが珍しくありません。募集要項に「自社サービス」と書いてあっても、実態は客先に出るポジションだった、という食い違いは起こりえます。だからこそ面談で踏み込んで聞く必要があります。
SES・受託・自社開発の違いを押さえる
選び方の前提として、3つの働き方の差を整理しておきます。SES(システムエンジニアリングサービス)は、客先に常駐して労働力を提供する契約形態で、納品物は「成果物」ではなく「技術力」です。受託開発は、他社から依頼された案件を自社に持ち帰って作る形。自社開発は、自社のプロダクトを継続的に育てる形です。
ここを混同すると、求人選びがずれます。たとえば「いろいろな現場・技術に触れたい」ならSESや受託にも合理性があり、「一つのプロダクトに腰を据えたい」なら自社開発が近い。SES自体が悪いわけではなく、自分のゴールと噛み合っているかが論点です。
ゴール1:SES脱出を狙うなら
客先常駐から抜けたい場合、求人の母数より「自社開発の比率」を見てください。担当者に、紹介できる求人のうちどれくらいが自社開発かを率で聞くと、そのエージェントとの相性が一発で分かります。「探せばあります」と濁されたら、母数が薄いサインかもしれません。
面談で聞いておきたいのは、このあたりです。
- 紹介求人の自社開発・受託・SESの内訳(ざっくりの割合で可)
- 開発の上流(要件定義・設計)に関われるのか、運用保守が中心か
- 使う技術スタックと、入社後にキャッチアップを支援する体制があるか
- 自社開発を名乗る企業の、実際の常駐有無
IT・Web・ゲーム領域に特化したGeekly(ギークリー)のように、業界専門のコンサルタントが付くサービスだと、この種の内実を踏み込んで答えてもらいやすい傾向があります。逆に総合型では、担当者によって解像度に差が出ます。
ゴール2:技術で評価されたいなら
技術志向の人がつまずきやすいのが、担当者と話が噛み合わないケースです。「フロントエンドの設計で何を意識したか」を話しても伝わらないと、その熱量が職務経歴書にも面接にも反映されません。
レバテックキャリアのようにエンジニア・デザイナー経験者に特化したサービスは、技術系アドバイザーの専門性が前面に出ます。一方で経験者向けの色が濃く、未経験者には向きません。自分が「技術の話が通じる相手」を求めているのか、「手厚く伴走してほしい」のかで、選ぶ軸が変わります。
担当者の技術理解度は、初回面談の質問で測れます。フレームワークの選定理由や、設計判断の背景を掘り下げて聞いてくる担当なら、企業へのアピールも的確に翻訳してくれるはずです。
ゴール3:年収を上げたいなら
エンジニアの年収は、言語やフレームワークそのものより「需要と希少性」で動きます。同じスキルセットでも、人手が足りない領域へ移ると上がりやすい。たとえばクラウドインフラやデータ基盤のように、できる人が相対的に少ない分野です。
そのうえで、提示額の交渉をエージェントに任せられるかが効いてきます。自分から「もう50万円上げてほしい」とは言いにくいもの。決定年収のレンジや交渉実績を面談で確認し、交渉を代行してくれる体制かを見ておきましょう。ハイクラス求人を扱うサービスは、この交渉部分を強みにしていることが多いです。
経歴書・ポートフォリオの見せ方
職務経歴書は「何を作ったか」の羅列より、「どう判断したか」を書くと刺さります。担当した開発の規模、技術選定の理由、つまずきをどう解決したか。採用側が読みたいのは、入社後に同じ判断ができる人かどうかです。
数字を添えると説得力が増します。「レスポンスを2秒から0.5秒に短縮」「月間の障害件数を半減」のように、関わった範囲での貢献を具体化する。コードを見せられるなら、GitHubのリポジトリや個人開発のポートフォリオを添えると一段強くなります。ただしリポジトリは、READMEと設計意図が伝わる状態に整えてから出すのが無難です。
未経験から目指すなら
未経験ルートは、これまでの話と前提が変わります。レバテックキャリアのような経験者特化のサービスでは、紹介できる求人がそもそも限られるからです。まずは総合型の使い方を押さえ、ポートフォリオや学習実績を積んだうえで特化型に移る、という二段構えが現実的でしょう。
最初の一冊として、転職エージェントおすすめ比較で総合型の選び方をつかんでおくと、遠回りに見えて近道になります。
よくある失敗
- 求人票の「自社開発」を鵜呑みにする:実態は客先常駐のこともあり、面談で内訳を確認しないと入社後に気づく
- 年収だけで選ぶ:技術的に成長できない環境だと、次の転職で手詰まりになりやすい
- 担当者が技術を分かっていない:話が噛み合わないと感じたら、担当変更を願い出るか、別のサービスを併用する
- ゴールを欲張る:SES脱出も年収アップも全部、と求めると軸がぶれて、紹介求人がぼやける
エージェントは1社に絞る必要はありません。特化型で技術の話を詰めつつ、総合型で求人の幅を確保する。2〜3社を並行して使い、担当者の質を見比べるのが、遠回りなようでいて損の少ないやり方です。